インドの智慧と暮らし⑩ なぜ私は、ヨガの智慧を伝える人生を選んだのか


私が初めてインドを訪れたのは、

2012年11月のことでした。

 

当時の私は、

すでにヨガ指導者として5年ほど活動しており、

16年間続けた会社員生活を完全に離職し、

その年の5月、念願だったヨガスタジオを東京都八王子市にオープンしていました。

 

スタジオはありがたいことに多くの方々に支えられ、

半年後には会員数700名を超えるまでに成長していました。

 

経営は順調でした。

仕事も充実していました。

 

だからこそ、

多くの方は不思議に思うかもしれません。

 

なぜ私は、

その大切なスタジオを一か月半も休業してまで、

インドへ向かったのでしょうか。

 

 

私が本当に知りたかったこと

 

当時の私のクラスは、

最大6名までの少人数制でした。

 

90分のレッスンの前後には、

30分ずつティータイムを設け、

生徒さんたちとゆっくり対話をしていました。

 

すると次第に、

ヨガの質問だけではなく、

人生そのものについての相談を受けるようになりました。

 

余命宣告を受けた方。

 

夫婦関係に悩む方。

 

幼少期の虐待の記憶を抱えている方。

 

職場の人間関係に苦しむ方。

 

子育てに悩む方。

 

介護を担う方。

 

生きる意味を見失っている方。

 

様々な人生がそこにありました。

 

私は精一杯耳を傾けました。

けれど心のどこかで感じていたのです。

 

私はまだ、

本当に伝えるべきものを知らないのではないか、と。

 

 

ポーズの先にあるヨガ

 

当時すでに、

単にアーサナだけではなく、

呼吸法も、瞑想も指導していました。

 

しかし真に生徒さんたちが求めていたものは、

ただ、柔軟になったり、心が穏やかになる方法だけではありませんでした。

 

人生の苦しみとどう向き合うのか。

 

喪失をどう受け止めるのか。

 

病気や老いとどう共に生きるのか。

 

本当の幸せとは何か。

 

そうした問いに対する智慧でした。

 

私はその過程で、

本場インド、ヨガの生まれ故郷リシケシで、

根源や本質をを学ばなければ、と思ったのです。

 

 

リシケシへの旅

 

だから私は、

スタジオを休業し、

インドへ向かいました。

 

観光のためではありません。

 

逃避のためでもありません。

 

もっと深くヨガを学ぶためでした。

 

そして、

何か怪しい宗教として誤解されることなく、

ヨガの聖典に記された普遍的な智慧を、

日本人に伝えられるようになりたいと思ったのです。

 

その旅の中で、

私はインド人のパートナーと出会いました。

そして思ってもいなかった次のステージに導かれます。

 

 

突然訪れたビジョン

 

リシケシで学びを続ける中で、

ある日突然、

強烈なビジョンが浮かびました。

 

日本人に、

伝統的なヨガの智慧を伝えること。

 

単なる美容法でも、

健康法でもなく、

人生を生きるための智慧としてのヨガを伝えること。

 

そのために、

指導者養成コースを作ること。

 

その考えは、

まるでどこかから与えられたかのように、

鮮明に私の中へ入ってきました。

 

 

RISHIKESH YOGASHALAの始まり

 

2013年4月、

私はインドで亡き父の誕生日に結婚しました。

 

そして同年6月、

地元八王子でヨガ指導者養成講座を開講しました。

 

さらに12月には、

インド・リシケシでの養成コースもスタートしました。

 

あれから十数年。

 

多くの生徒さんたちと出会い、

共に学び、

共に歩んできました。

 

振り返ると、

あの時のインドへの旅が、

人生の大きな転機だったことは間違いありません。

 

 

インドが教えてくれたこと

 

長年インドへ通い続けてきて、

私が受け取った最大の学びは、

「ヨガとは生き方である」ということでした。

 

ヨガは、

身体だけのものではありません。

 

人生そのものです。

 

苦しみも。

 

喪失も。

 

病も。

 

別れも。

 

喜びも。

 

すべてを含めて人生であり、

その人生をどう生きるかを学ぶ智慧がヨガなのです。

 

 

だから今、Yoga Wisdomを書いている

 

気づけば私は、

2012年に抱いた問いへ、

再び戻ってきています。

 

人生の苦しみに、

ヨガは何を語るのか。

 

喪失に、

死に、

変化に、

愛に、

魂の成長に、

 

ヨガはどんな智慧を与えてくれるのか。

 

その問いを探究し続けた先に、

今のYoga Wisdomがあります。

 

もしかすると私は、

13年前からずっと同じ旅を続けているのかもしれません。

 

 

 

インドは、

私に新しい人生を与えてくれた場所ではありません。

 

私が本当に歩みたかった人生を、

思い出させてくれた場所でした。

 

そしてこれからも私は、

この地で学び続けながら、

ヨガの智慧を次の世代へ伝えていきたいと思っています。

 

Travel light, live light, spread the light.

Be the light within.

 

 

RISHIKESH YOGASHALA

Yoga Wisdom

サティヤプレーマ