Holistic Ayurveda|生命を整える智慧② ワータ・ピッタ・カファは、性格診断ではない ― アーユルヴェーダが見つめる「体質」という考え方 ―


アーユルヴェーダを学び始めると、最初に出会うのが、

 

ワータ。

ピッタ。

カファ。

 

という三つの言葉です。

 

最近ではインターネットや書籍でも、「あなたは何タイプ?」という特集を見かけるようになりました。

もちろん、自分の体質を知ることは大切です。

 

しかし、本来のアーユルヴェーダは、人を三つのタイプに分類するための学問ではありません。

ワータ・ピッタ・カファとは、生命を支える三つの働きを表しています。

 

ワータは、「動き」の力。

 

呼吸。

神経。

循環。

思考。

 

身体のあらゆる動きを支えています。

 

ピッタは、「変化」の力。

 

消化。

代謝。

理解。

判断。

 

食べたものを栄養へ変え、経験を学びへ変える働きでもあります。

 

そしてカファは、「支える」力。

 

骨格。

筋肉。

潤い。

安定。

愛情。

 

生命を育み、守る土台となるエネルギーです。

 

私たちは、この三つをすべて持っています。

 

違うのは、その割合です。

 

だから、「私はワータだから」「私はカファだから」と決めつける必要はありません。

 

むしろ、その時々の季節や年齢、生活習慣によっても、心身の状態は絶えず変化しています。

 

だからアーユルヴェーダは、ラベルを貼ることよりも、

 

「今の自分は、どのような状態だろう。」

 

という問いを大切にします。

 

昨日まで元気だった人が、今日は疲れていることもあります。

若い頃はピッタが強かった人も、年齢を重ねるにつれてワータが優勢になることもあります。

 

人生そのものが、変化の連続だからです。

 

本当の目的は、自分を分類することではありません。

自分という生命を理解し、その変化と上手につきあっていくことです。

 

アーユルヴェーダは、「あなたは○○タイプだからこう生きなさい」と決めつける学問ではありません。

 

一人ひとり異なる生命の個性を尊重し、その人が本来の調和を取り戻せるよう導く智慧です。

 

だからこそ、体質を知ることはゴールではなく、生命との対話の始まりなのです。

 

しかし、ここで一つ疑問が生まれます。

 

同じ体質の人でも、健康な人と不調を抱える人がいるのは、なぜでしょうか。

 

アーユルヴェーダは、その答えを「アグニ」という考え方に見いだしています。

 

次回は、生命の中心にある「火」の智慧について、一緒に学んでいきましょう。

 

 

 

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