私たちは、季節が変わるたびに、心や身体の変化を感じています。
春になると、なぜか眠気が続く。
夏は暑さで食欲が落ちる。
秋になると、どこか寂しさを感じる。
冬は身体がこわばり、動くことが億劫になる。
こうした変化を、「年齢のせいかな」と考えてしまうこともあるでしょう。
けれどアーユルヴェーダでは、それをごく自然な生命の反応として受け止めます。
私たちは自然の外側にいる存在ではありません。
太陽の光を浴び、
季節の風を感じ、
雨に潤され、
大地の恵みによって生かされています。
だから季節が変われば、心も身体も変化するのです。
この考え方を、アーユルヴェーダではリトゥチャリアと呼びます。
リトゥとは「季節」。
チャリアとは「暮らし方」。
つまり、「季節に合わせて生きる智慧」です。
現代では、一年中エアコンが効き、季節をあまり意識しなくても生活できます。
旬ではない食材も、いつでも手に入ります。
昼も夜も同じような明るさの中で過ごし、四季の変化を忘れてしまうことも少なくありません。
便利になった反面、私たちの身体は、本来備わっている自然のリズムを感じにくくなっているのかもしれません。
アーユルヴェーダは、「自然に勝とう」とは考えません。
「自然とともに生きよう」と考えます。
暑い季節には身体をいたわる。
寒い季節には温める。
乾燥する季節には潤いを大切にする。
その時々の自然に寄り添うことが、生命の調和につながるのです。
これは、身体だけの話ではありません。
人生にも季節があります。
夢に向かって挑戦する春。
力強く活動する夏。
実りを受け取り、振り返る秋。
静かに休み、次の芽吹きを待つ冬。
どの季節にも意味があります。
いつまでも春だけを生きることはできません。
いつまでも夏のように走り続けることもできません。
それでも私たちは、ときどき自分の人生を、誰かの「夏」と比べてしまいます。
「あの人は、まだあんなに活躍している。」
「私は、以前のようには動けない。」
そう思ってしまうこともあるでしょう。
けれど自然は、秋の木々に向かって「もっと花を咲かせなさい」とは言いません。
冬の大地に向かって「もっと成長しなさい」とも言いません。
それぞれの季節に、それぞれの美しさがあることを知っているからです。
アーユルヴェーダが教える季節の智慧とは、自然を観察することだけではありません。
今の自分が、人生のどの季節を生きているのかを静かに感じることでもあります。
その季節にふさわしい暮らしを選ぶこと。
その季節に必要な休息を受け入れること。
その季節だからこそ見えてくる景色を大切にすること。
それが、自然と調和して生きるということなのかもしれません。
生命は、急ぐことで豊かになるのではありません。
自然のリズムとともに歩むことで、本来の健やかさを取り戻していくのです。
次回は、多くの現代人が後回しにしがちな「睡眠」について考えます。
アーユルヴェーダは、睡眠を単なる休息ではなく、「生命を修復する時間」として大切にしてきました。
RISHIKESH YOGASHALA
Yoga Wisdom
サティヤプレーマ
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