魂の原型と契約⑫ 守護者という魂の原型 ― 守ることによって、世界を支える魂 ―


私たちは、「変える人」に目を向けがちです。

 

新しいものを創る人。

世界を変える人。

革新的な発想を生み出す人。

 

そのような人たちは、確かに時代を動かします。

けれど、その一方で、静かに何かを守り続けている人たちがいます。

 

家族を守る人。

地域を守る人。

伝統を守る人。

自然を守る人。

約束を守る人。

 

あるいは、目の前の一人の命を守るために働く人。

 

そのような人たちがいるからこそ、この世界は静かに支えられています。

 

私は、このような魂の在り方を「守護者」という原型として捉えています。

古代インドでは、社会にはさまざまな役割があると考えられていました。

 

その中で「クシャトリヤ」は、しばしば「武人」や「王族」と訳されます。

 

しかし、その本質は「戦う人」ではありません。

 

守る人です。

 

弱い立場の人を守る。

秩序を守る。

正義を守る。

 

そして、自らのダルマを守る。

 

『バガヴァッド・ギーター』でアルジュナが苦悩したのも、戦いたかったからではありません。

 

戦いたくなかったからです。

 

目の前にいるのは敵ではなく、祖父であり、師であり、親族でした。

それでもクリシュナは、アルジュナに問いかけます。

 

「あなたは何を守るために生きるのか。」

 

この問いは、現代を生きる私たちにも向けられているように思います。

 

守護者という魂の原型を持つ人は、目立つことを望みません。

誰かに賞賛されることよりも、大切なものが失われないことを願います。

 

だから、その働きはとても静かです。

 

家族の安心を支える人。

長年にわたり地域活動を続ける人。

伝統文化を次の世代へ伝える人。

自然環境を守るために行動する人。

 

あるいは、一つの学校や、一つの理念を、何十年も守り育てる人。

 

その姿は華やかではないかもしれません。

しかし、そのような人がいるからこそ、社会には信頼という土台が生まれます。

 

一方で、守護者という原型にも課題があります。

 

それは、「守ること」が「変化を恐れること」へ変わってしまうことです。

 

大切なものを守りたいという思いが強いあまり、新しい価値観を受け入れられなくなることがあります。

しかし、自然を見れば分かるように、本当に生命力のあるものは、変化しながら生き続けています。

 

大樹は根を張りながらも、毎年新しい葉をつけます。

川は流れ続けるからこそ、美しい水を保ちます。

守ることと、変わること。

 

その両方の調和を学ぶこともまた、守護者の大切な修行なのだと思います。

私自身も、この二つの間で何度も考えてきました。

 

ヨガの本質は守りたい。

けれど、伝え方は時代に合わせて変わっていく必要がある。

 

だから私は、インドの智慧を大切にしながらも、現代を生きる人々に届く言葉で伝えたいと願っています。

 

伝統を守るとは、昔の形をそのまま残すことではありません。

その本質を未来へ受け渡していくことです。

 

それこそが、守護者という魂の原型が、この人生で学ぼうとしていることなのではないでしょうか。

 

そして、この世界には、守るだけではなく、新しい価値を生み出し、時代そのものを動かしていく魂があります。

 

次回は、「創造者」という魂の原型について、ブラフマーの創造原理とともに探究していきたいと思います。

 

 

RISHIKESH YOGASHALA
Yoga Wisdom

 

サティヤプレーマ