魂の原型と契約シリーズ⑨ 結婚したのに、一緒に暮らせなかった


前回の記事では、2013年4月5日、インドの小さな寺院で結婚したことについてお話ししました。

 

祈りと誓いだけの静かな結婚式。

 

誰にも祝福されることのない結婚だったかもしれません。

けれど私は、自ら選んだ人生を歩み始めたという静かな確信を感じていました。

 

しかし現実は、私の想像を遥かに超えるものでした。

結婚したからといって、すぐに夫婦として暮らせるわけではなかったのです。

 

むしろ本当の試練は、そこから始まりました。

 

結婚後、私たちは日本で夫婦として生活を始めるための準備を進めていました。

 

ところが最初の来日で、思いもよらない出来事が起こります。

 

彼は日本の入国審査で止められました。

そして偽装結婚の疑いをかけられたのです。

 

当時の私たちは、まさかそのようなことが起きるとは思ってもいませんでした。

けれど結果として、彼は入国を許可されず、そのまま強制送還となりました。

 

結婚したばかりの夫婦が、一緒に暮らすことすらできない。

 

その現実はあまりにも重いものでした。

ショックがなかったと言えば嘘になります。

 

けれど不思議なことに、私は絶望していませんでした。

なぜなら私の中では、問題が起きた時に考えることはいつも一つだからです。

 

「では、次に何をすればいいのか」

 

それだけでした。

 

そこから私たちは、改めて法的な婚姻手続きと向き合うことになります。

 

インドでの膨大な書類の準備。

翻訳。

認証。

証明。

 

そして日本側での婚姻登録。

在留資格申請。

 

今のように情報が簡単に手に入る時代ではありません。

 

一つひとつを自分たちで調べながら進めるしかありませんでした。

 

時間もかかりました。

お金もかかりました。

 

労力も想像以上でした。

 

もし他の方だったら途中で諦めていたかもしれません。

それほど大変な道のりでした。

 

けれど私は、不思議と苦労だとは思いませんでした。

ただ無我夢中だったのです。

 

当時の私は、八王子と町田の二つのスタジオを運営していました。

 

日中はレッスン。

夜は事務作業。

養成講座の準備。

生徒さんへの対応。

経理。

スクール運営。

 

そしてその合間に、国際結婚のための手続きを進めていました。

睡眠時間は一日四時間ほどだったと思います。

 

今振り返れば、よく身体が持ったものだと思います。

けれど当時は、それが特別なことだとは感じていませんでした。

 

目の前にあることを一つひとつ進めることに必死だったのです。

 

そして一年が過ぎました。

 

さらに一年が過ぎました。

 

ようやく道が開き始めます。

 

2015年。

結婚から二年以上の歳月を経て、彼は初めて日本の土を踏みました。

 

長かった。

本当に長い時間でした。

 

私はようやく思いました。

 

これでようやく夫婦としての生活が始まる。

遠距離結婚も終わる。

 

ここから新しい人生が始まるのだと。

 

けれど、本当の試練はそこから始まったのです。

 

次回は、ようやく始まった日本での結婚生活と、その直後から見え始めた現実についてお話ししたいと思います。

 

 

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