「自分を好きになりましょう。」
その言葉に励まされた経験がある方も多いと思います。
一方で、その言葉が苦しく感じられたことはありませんか。
思うように身体が動かない日。
気持ちが落ち込む日。
失敗をしてしまった日。
そんな時、「自分を好きになれない私は駄目なのだろうか」と、さらに自分を責めてしまうことがあります。
ヨガ哲学は、そのような心の動きを否定しません。
むしろ、「人の心は常に揺れ動くもの」と静かに受け止めています。
嬉しい日もあれば、不安な日もある。
自信に満ちた日もあれば、自分を見失う日もある。
それが人間という存在です。
だからこそ、ヨガが目指すのは、「いつも前向きでいること」ではありません。
どのような自分であっても、その存在を受け入れられる心を育てることです。
これは、自分を甘やかすこととは違います。
また、「このままで十分だから努力しなくてもいい」という意味でもありません。
ありのままの自分を認めたうえで、必要な成長を静かに続けていく。
その姿勢こそが、ヨガの智慧なのです。
人生の前半は、できることを増やそうと努力します。
知識を身につけ、経験を積み、誰かの期待に応えようと歩み続けます。
それは尊い時間です。
しかし人生の後半には、少し違う問いが生まれます。
「できる私」に価値があるのだろうか。
「役に立つ私」でなければ意味がないのだろうか。
その問いに対して、ヨガ哲学は静かに答えます。
あなたの価値は、何かができることによって生まれるものではありません。
年齢や肩書きによって増えたり減ったりするものでもありません。
本来の自己は、何かを証明しなくても、すでに完全な存在である。
その考え方は、ヴェーダーンタ哲学にも通じています。
だから、成熟とは「もっと素晴らしい自分になること」ではありません。
欠点も、弱さも、迷いも抱えながら、「これが今の私です」と静かに認められること。
そこには、若い頃にはなかった穏やかさがあります。
他人と比べる必要もなくなります。
過去の自分と競争する必要もなくなります。
人生は、誰かより優れているかを競う旅ではありません。
昨日より少しだけ、自分を理解できたなら、それだけで十分なのかもしれません。
自己受容とは、諦めではありません。
人生のあらゆる経験を抱きしめながら、なお前へ歩いていく静かな強さです。
そして、その強さは、年齢を重ねた女性だからこそ育まれる、美しい成熟の姿なのではないでしょうか。
RISHIKESH YOGASHALA
Yoga Wisdom
サティヤプレーマ
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