毎回インドを訪れるたびに、私が強く感じることがあります。
それは、私たち日本人が多くの国々、特にインドの人々に比べて、物質的には非常に恵まれた環境にありながら、心の中には多くのストレスや悩み、不安を抱えているということです。私たちは、まだ来てもいない明日のことを心配し、“今を楽しむ”という本当の生きる喜びを忘れ、朝から晩まで「いい生活」を求めて働いているのではないでしょうか。
現代のストレス社会に生きる私たちは、しばしば自分の気持ちを押し殺し、地位やお金、他人からの評価を得るために働きます。その結果、自分の本当の感情や感覚さえも分からなくなることがあります。
私自身も、シングルマザーとして先天性心臓病を持つ長男と長女を育てながら、15年間、一般企業で社長秘書として働いてきました。過酷なオーバーワーク、前夫との離婚問題、父の会社の倒産と入院など、さまざまな家庭の事情が重なり、気づいた時には心身ともに疲れ果て、バーンアウトしていました。「消えてしまいたい」と思い詰めるようになり、うつ病と診断され、休職や治療を繰り返す日々。生きる希望を失い、絶望感に苛まれていました。
そんな時に、本当の「生きる意味」に気づかせてくれたのは、恩師との出会いとヨガの哲学でした。
ヨガは、単に「ポーズを取ること」だと思われがちですが、実は「人間はどうしたら幸せになれるか」という普遍的なテーマを探求する人生のガイドブックです。ヨガには、社会的・個人的モラルから始まり、心のコントロール(瞑想)に至るまで、1万年以上にわたり受け継がれてきた人類の叡智が詰まっています。
欧米では、すでにヨガは10年以上前から人々の生活の一部として定着しています。日本でも多くの人がヨガのポーズに取り組んでいますが、これからの時代に求められているのは、単なる美容法・健康法としてヨガを教える「インストラクター」ではなく、ヨガの伝統的な思想をも理解し、「人はいかに生きるべきか」をクラスや日常生活を通じて伝えられる真のティーチャー(知恵を授ける人=指導者)です。
このコースでは、日本では手薄になりがちなヨガ哲学を、私自身の人生経験やインドでの修練を通じて、伝統的なハタヨガのアーサナ(ポーズ)、呼吸法、瞑想法、マントラの詠唱、浄化法、ムドラやバンダのテクニックをインド現地師範たちと共に分かりやすくお伝えしています。
また、先天性脊柱側弯症や頸椎の奇形、気管支喘息などの持病を抱えながらも、パーソナルトレーナーとしての解剖学や運動生理学の知識を活かし、どのようにこれらのハンディキャップを克服し、共に生きる知恵を得たか、私自身の経験を基に、安全かつ効果的にヨガを指導できるように導いています。
ヨガを通じて、皆さまの人生がより輝き、人としての成長と学びの道が深まることを心より願っています。
リシケシ・ヨガシャラ
ディレクター
真理・プラサード
*2024.9月現在、ニーラヴ・プラサードは病気療養中のため、現場から退いています。
RISHIKESH YOGASHALA
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