Q1, インド伝統式ヨガと現代式(西洋式)ヨガの違いは何ですか?
A、現在、日本では空前のヨガブームといわれているほど、年々定期的にヨガのクラスに通う人が増え、ヨガ人口が増え続けています。
10年前は3%と言われたヨガ人口が今では、590万人・人口の約7.5%を超え、また、ヨガの指導者を目指す方も増え続けています。
しかし、一般のヨガスタジオもヨガ指導者養成校も、ほとんどのスクールが取り入れているのは、現代式(西洋式)ヨガであり、残念ながら、ヨガ発祥のインド古来から伝わるヨガの基本的な思想や哲学を深く学べるところは少ないというのが現状です。
インターネット記事NAVERにも当校が取り上げられ、記事がまとめられていますが、ヨガの本質を知ることはまず、インド伝統式ヨガと現代式ヨガの違いを知ることが始まりです。
~インド伝統式ヨガの特徴~
ヨガには約4500年の歴史があり、さらに歴史を辿ると1万年以上前のタントラを起源にしていることが分かっています。
健康やフィットネス、美容を目的とするエクササイズとして20世紀後半に欧米で大衆的にブームとなった”ハタヨガ”は、多くの場合、現在では、単に”ヨガ”と呼ばれています。現在、ほとんどのスクールでも”ハタヨガ”と呼ばれるものは、19世紀後半から20世紀前半の西洋で発展した体操法・エクササイズに由来し、インド独自の体系として確立したインド伝統式ハタヨガとの繋がりはとても薄くなっています。
現代のヨガのクラスで行なわれているポーズを中心とした偏ったクラスは、インドでは、”創られた伝統”と言われています。
このように、現代式ヨガは心身の健康面(ともすれば肉体面ばかり)が強調されたエクササイズ的な側面が目立ちますが、ヨガの長い歴史をさかのぼってみると、人類最古の思想ヴェーダにさかのぼり、スピリチュアルな宇宙観・世界観・輪廻転生などの宗教観やインド哲学、自然医学・心の科学(心理療法)など様々な分野の基盤にヨガがあることが分かります。古来から伝わるインド伝統式ヨガは、身体的な面だけではなく心といった内面的な自己を深く探求することから始まり、”すべてのものは一つである”という梵我一如・ONENESSの視点から、自己と世界を捉え、”生き方・人としての在り方そのものをヨガに生きる”ことが目標となっています。
日本社会では、社会を震撼させたカルト事件があった影響で、ヨガのスピリチュアル的な側面が排除され、現在ではビジネスと結びついた、美容と健康面ばかりが強調されたヨガが流行していますが、本来のヨガは、スピリチュアル的な宇宙観や哲学・思想を語らずして、伝えることはできません。
~現代式(西洋式)ヨガの特徴~
現代式ヨガの特徴として、まず挙げられるのが、インドの伝統式ヨガが内面性を非常に重視する点と違い、西洋ヨガは解剖学や運動生理学の視点をベースに身体的エクササイズとしてヨガを体系的に学ぶことが多いという点です。ポーズを練習する上での誤った体の使い方・癖・過信からくるケガを防ぎ、ポーズを心身の調整目的、セルフメインテナンス、セラピー的に用いることが多いのが特徴です。
肩こりが良くなる、痩せる、腰痛がよくなる、スタイルが良くなる、若返るなど、ヨガの効果として挙げられること自体は本来ヨガの目的ではなく、日頃の地道な鍛錬のもと私たちに与えられていく副産物のようなものです。これらを”得る”ことにヨガの目的を置くことは、裏を返せば、”それらが、現在自分にない”ことを潜在意識にインプットし、そこから生じる不平不満や自己否定に繋がったり、もしくは、その目的が達成された際に、”執着心”やそれをなくした際の”不安””恐怖”といった心の悩みを新たに生み出すこととなり、ヨガ本来の”煩悩からの解放”や”今あるがままの自己や世界を受容することの幸福感が常にベースにある”というのと、逆行してしまうことに繋がりかねません。
もちろん、それらも現代社会で人々に求められているのが現状ならば、掛け替えのないヨガの智慧を有効活用しないほかはありません。
ただ、だからといって、ヨガの根底に流れる思想や哲学を疎かにして、知識に頼り切り、ヨガ思想と身体の知識(解剖・生理)を異なった講師が別々に教えていたり、決められたマニュアルを教えるだけで、個人個人の異なる身体への適応力や精神的な面のサポート養うことが出来ない場合も多く見受けられます。
当校は、ヨガの聖地と呼ばれる”インド北部ヒマラヤの麓、リシケシ”からやってきた、”アシュラム”をコンセプトとするヨガスクールです。
リシケシは、ヨガ発祥の地で、現代式ヨガを生み出した欧米諸国を中心に、世界中からヨガの愛好者や指導者が、アシュラムにヨガの学びを深めに訪れます。アシュラムとは、”精神的な修行をする場所”という意味があり、ヨガ修行者が他の生徒とともにヨガの教えに基づいた共同生活を送る場でもあります。リシケシ以外にも、インドには多くのアシュラムが点在していますが、外国人を受け入れている場所はそう多くありません。
しかし、リシケシの多くのアシュラムは、ヨガの思想のONENESS~すべては一つ~を基盤に、外国人も身分も老若男女問わず、広く受け入れているところが多いのが特徴です。インド国内のみならず、世界中の方とヨガの考えを基盤に生活を共にすることで、文化・習慣・国境・人種を超えた交流の場となっています。
当校ディレクター、真理・プラサードは、パーソナルトレーナー(民間の理学療法士と呼ばれる)の国際資格を持ち、2007年から機能解剖学や運動生理学をベースとした現代式(西洋式)ヨガから、ヨガの学びをスタートしました。その後、ヨガの根源や背景となった文化・思想を深く学ぶため、2012年よりインド・リシケシへ10回以上渡り、現地アシュラムを中心にインド伝統式ヨガの学びと修練を積んできました。
現在はヨガ哲学の始まりであるヴェーダ(人類最古の経典)の智慧を伝授するブラーミン家系(司祭)に生まれた夫、ニーラヴ・プラサードのサポートのもと、マントラやヒーリングなど更にヨガのスピリチュアル的な側面の学びを深めています。
当校では、1万時間以上の豊富な指導時間を持つ真理・プラサードとインドアシュラム師範ニーラヴ・プラサードのバックアップの元、哲学や内面を重視するヒマラヤ発祥のインド伝統式ヨガと、より一般現代社会で馴染み深い、フィットネス的な現代式ヨガをバランスよく学ぶことが出来ます。
Q2、カラダが硬く、年齢的にも心配ですが、大丈夫でしょうか?
A, はい。私(真理・プラサード)自身も本格的に運動を始めたのが30半ば過ぎですし、ヨガを学び始めた当初は、人並み以下に身体が硬く、柔軟性なし、体力なし、筋力もなしの三重苦で(笑)、本当に運動音痴でした。
まさか、自分がヨガの指導者になるとは夢にも思っていませんでした(笑)。
でも、養成コースに通っている間にも、どんどん変わっていきますし、
『グル(師)とは、お弟子さんをたくさん従えている人、といったイメージがありますが、そうではないのです。
グルは、道を教えてくれる人を意味します。例えば、私が森の中で迷ってしまったとしますね。
そして出会った人に「これは○○への道ですか?」と尋ねたとします。
そして、その人は、「そうです。ここを真っ直ぐ行くとたどり着けますよ」と教えてくれたとしましょう。
私はその人に感謝し、私たちは違う道を歩む。 ここで道を教えてくれた人が、グルなのです。
お弟子さんをたくさん従えている人がグルである、といった昨今のイメージは、よくありません。
真のグルは、道を教えてくれ、そしてあなたの進むべき道を一人で歩ませる人なのです。
もちろん、先生達は、助けを差し伸べてくれますから、私は自分の先生達に感謝していますし、先生といい関係を保てることを嬉しく思います。
ですが、先生の歩む道を自分も従って歩む、ということはしなくて良いのです。
グルを追いかけてグルの目的地へ従う、ということは自分の目的地を見失うということにもなりかねないのです。
ヨガのコンセプトに、「スヴァダルマ svadharma」というものがありますが、それは「自分自身のダルマ(使命)」、「自分自身の道」
という意味です。 もし、他の人のダルマを追おうとすると、壁にぶつかります。
グルとは、あなたがあなた自身のダルマ(人生の使命・義務)を見つける手助けをしてくれる人のことをいうのです。』
(The Heart of Yoga から抜粋)